令和4年度|国内旅行業務取扱管理者試験

国内旅行業務取扱管理者とは

2022年(令和4年)度の国内旅行業務取扱管理者試験は9月4日(日)でした。受験生の皆様おつかれさまでした!

旅行業界においてとっても重要なこの資格、いったいどんな資格なのか❓受験資格は❓資格を取るメリットは❓などについてお話します。今年の試験会場は全国で9地域ありまして、私の会社がある大阪府から一番近い試験会場は京都府の龍谷大学深草キャンパスです(昨年は大阪府の関西大学)気になる合格発表は10月26日(水)予定なので結果がわかるまではドキドキですがひとまずは勉強から解放された皆様本当におつかれさまでした。専門学校や通信教育会社などでは解答速報を試験当日に発表しているところもありますが公式の解答は全国旅行業協会のホームページに試験の約1週間後掲載される予定ですのでそちらも確認してみてください。

そして試験会場についての余談ですが、今年の試験日は沖縄地方では台風が接近中・・天候による試験の実施が危ぶまれたり(結果は予定通り実施)試験会場の数が少ない為に住んでいる地域によっては移動距離がとても長くて大変という人も多いですよね。そういった問題がもしかすると今後のCBT試験の導入によって解決するかもしれません。

CBTとは“Computer Based Testing”の事で 問題用紙やマークシートなどの紙を使わずにコンピュータで受験する方式のテストです。全国各地にあるテストセンターに行きコンピュータによる受験ができるのがメリットで従来の筆記試験に代わる新しい試験方式として注目されています

旅行業界唯一の国家試験について知りたい方は是非最後まで読んでください

旅行業務取扱管理者とは

旅行業界唯一の国家資格である『旅行業務取扱管理者』には3種類があります。旅行業務を扱うプロであることを証明するとても大切なこの資格にはそれぞれ取り扱える旅行商品が異なります。

  • 国内旅行業務取扱管理者・・・国内旅行商品のみを取り扱える
  • 総合旅行業務取扱管理者・・・国内旅行と海外旅行を取り扱える
  • 地域限定旅行業務取扱管理者・・・特定の地域のみ取り扱える(2018年の旅行業法改正で新たに創設されました)

旅行業法において、旅行会社が旅行商品を販売する際に各営業所に1名以上(従業員が10名以上いる大規模営業所は2名以上)の旅行業務取扱管理者を配置しなければならないという決まりがあります。

この資格を取得するメリットは

  • 旅行業界の就職や転職に役立つ❣
  • 給料UPにつながる・・・かも⁉
  • キャリアアップに役立つ❣
  • 旅行会社を開業できる❣

などがあります。旅行業界に就職を希望する人にとっては履歴書の保有資格欄に『国内旅行業務取扱管理者』と記入できればアピールポイントとなります!また旅行会社によっては基本給の査定にプラスされたり資格手当がついたりするところもあります。各営業所に最低1名は専任の旅行業務取扱管理者を置かなくてはいけない為、特に営業所の多い大手旅行会社などでは責任者や支店長として資格保有者が抜擢される可能性もありキャリアアップにもつながります。

国内旅行業務取扱管理者

国内旅行業務取扱管理者とは、本邦内(日本国内)の旅行手配・管理監督ができます。国内旅行を専門に取り扱う旅行会社では多くの人がこの資格を取得しています。旅行業界で働き始めたばかりの方や学生さんが旅行業務の知識をつけるという意味でも適した資格ですし資格所持者ということで旅行会社からも重宝されます!ちなみに、総合旅行業務取扱管理者国内旅行&海外旅行の両方を取り扱え、地域限定旅行業務取扱管理者営業所所在地の市町村とそれに隣接する市町村・観光庁長官が定めた区域内の旅行商品を取り扱えるため着地型観光や地域活性化が目的の旅行に適してます。難易度のやさしい資格なので専属の旅行業者だけではなく旅館やホテル・別事業を営んでいる地元企業などが地域の魅力発信や地域密着型の事業をしたい場合にも有効な資格です。

【各資格の試験実施機関】
総合旅行業務取扱管理者試験⇒日本旅行業協会(JATA)
国内旅行業務取扱管理者試験⇒全国旅行業協会(ANTA)
地域限定旅行業務取扱管理者試験⇒国土交通省/観光庁

試験概要

試験内容や試験会場・費用等について詳しくは管轄の『一般社団法人全国旅行業協会 国内旅行業務取扱管理者試験受験案内』を必ずご確認ください

受験案内(全国旅行業協会ホームページ)

【試験科目】

  • 旅行業法及びこれに基づく命令
  • 旅行業約款・運送約款及び宿泊約款
  • 国内旅行実務(①運送機関及び宿泊施設の利用料金その他の旅行業務に関連する料金 ②旅行業務の取扱いに関する実務処理)

【試験日程】

毎年9月上旬の日曜日に実施されています。令和4年度の試験日時は以下のとおりです。

●2022年9月4日(日)

全科目受験者 13時30分~15時30分(120分)

一部免除者  14時10分~15時30分(80分)

※万が一遅刻の場合は、試験開始後受験教室到着の時点で30分以内の場合に限り受験が認められます

【合格発表】

2022年10月26日(水)予定

【試験地】

令和4年度は9地域が試験会場でした。複数の試験会場がある地域でが受験者自身が地域内の試験会場を選ぶことはできません。また願書提出後の試験地変更も不可となります。

①北海道(札幌市) ②宮城県(仙台市) ③埼玉県(4会場) ④東京都(4会場) ⑤愛知県(名古屋市) ⑥京都府(京都市) ⑦広島県(広島市) ⑧福岡県(福岡市) ⑨沖縄県(那覇市)

【受験手数料】

5,800円(非課税)

※受験願書及び受験手数料が完備された受験申込者に対し受験票を受験願書に記入された住所宛に普通郵便で発送されます(必ず受験票の記載内容を確認してください!毎年記載間違いの受験票があります。もし間違いがあれば試験当日に訂正してください)

試験科目

試験科目は基本3つです

  • 旅行業法及びこれに基づく命令
  • 旅行業約款・運送約款及び宿泊約款
  • 国内旅行実務

【試験科目の免除について】

  • 対象者
  1. 前年度実施の国内旅行業務取扱管理者試験の「国内旅行実務」において合格点を得た者については、試験科目のうち「国内旅行実務」の科目について試験の免除を受けることができます。
  2. 本年度もしくは前年度の国内旅行業務取扱管理者研修修了者(※1)については、試験科目のうち「国内旅行実務」の科目について試験の免除を受けることができます。
  3. 地域限定旅行業務取扱管理者試験に合格している者

(※1)
国内旅行業務取扱管理者研修の受講資格は、旅行業者または旅行業者代理業者に最近5年以内に3年以上勤務しており、現在も引き続き旅行業務に従事している者を受講条件としています。

旅行業約款・運送約款及び宿泊約款については全受験者が試験対象です

  • 免除科目

国内実務科目が免除
 
対象者:本年度国内旅行業務取扱管理者研修修了者もしくは、前年度国内旅行業務取扱管理者試験科目合格者 

法令科目が免除
 
対象者:地域限定旅行業務取扱管理者試験 合格者

法令科目及び国内実務科目が免除
 
対象者: ① 地域限定旅行業務取扱管理者試験合格者 であって、②本年度国内旅行業務取扱管理者研修修了者 もしくは、③前年度国内旅行業務取扱管理者試験科目合格者 のいずれかの要件を満たす者*①と②、もしくは①と③の資格要件を満たしている者が「法令科目及び国内旅行実務免除」の対象者です。

試験の合格率は?

気になる合格率は試験科目一部免除者もいてますが概ね35%~40%ぐらいかなと思います。コロナ禍の影響もあってか令和4年度の受験者数は前年度よりも少なかったようです。試験問題の難易度も前年度の合格率によって多少は影響していると思われます。合格基準については試験3科目すべてが60%以上の正解率で合格となります(旅行業法60点以上、約款60点以上、国内旅行実務60点以上)

受験人数合格人数合格率
令和3年度10,569人4,498人約42%
令和2年度12,146人4,576人約37%
引用:全国旅行業協会 ※科目免除者含む

定期研修制度

資格試験合格者の資格更新制度というのはありませんが、旅行業者等により選任された旅行業務取扱管理者についてはその職務に関し必要な知識及び能力の向上を図るために5年ごとに受講しなければならない研修があります(受講料12,000円、教材費込み)

旅行業務取扱管理者定期研修(以下「定期研修」)は、改正旅行業法(平成30年1月4日施行)第11条の2第7項に基づき実施されるもので、旅行業者及び旅行業者代理業者(以下「旅行業者等」)は、選任された旅行業務取扱管理者(以下「選任管理者」)について、その職務に関し必要な知識及び能力の向上を図るため、旅行業協会(ANTA・JATA)が実施する研修を5年ごとに受けさせなければならないと規定(※1)され、受講修了していない場合は、更新登録の拒否事由に該当します

全国旅行業協会ホームページより

ここで勘違いが多いのが5年に1回更新をしなければ個人で取得した資格が無くなってしまうと思っている方がいますが、保有資格を更新するというシステムでは無いので自動的に資格が失効することはありませんし全ての人が絶対に定期研修を受けなければならないわけでもありません。旅行会社が旅行業の更新の際に必要な条件として、旅行会社が選任する旅行業務取扱管理者は定期研修を5年ごとに受講することが義務付けられています(旅行業の登録有効期限は5年です)。旅行業法や関連法令などに関しては随時改正されますので最新の知識を身につけておく必要が旅行業従事者にはあります(定期研修にはテストがありませんので終日座学で研修終了となります)

※試験の一部免除となる【国内旅行業務取扱管理者研修】とはまた違いますのでご注意ください

Q&A

試験は年に何回開催されますか?

年1回の実施です

受験資格について教えてください

どなたでも受験することができます
(但し、試験に不正行為があった者について、観光庁長官により受験を禁止されている者を除きます)

国内旅行業務取扱管理者と国内旅行業務取扱主任者の違いは?

旅行業法の一部改正(平成17年4月1日施行)により旅行業務取扱主任者は旅行業務取扱管理者に資格名称が変更されました。過去に旧資格名称で合格している場合であっても手続や改めて受験しなおす必要はありません

まとめ

旅行業務取扱管理者は旅行業界唯一の国家資格です。簡単に取得できる資格ではありませんが旅行業界で働く人にとってメリットは大きいです(給料UPやキャリアアップなど)もちろん旅行業界で働くことを希望する学生さんなどにとっては面接でのアピールポイントにもなります。私はというと学生時代の一年目に国内旅行業務取扱管理者、二年目に総合旅行業務取扱管理者資格を取得し旅行会社勤務を経て2019年に独立しました。受験する理由はそれぞれだと思いますが【旅】という形のない商品を扱う旅行業界にこの資格はとても重要です。旅行業界に興味がある方はぜひ資格取得にチャレンジしてください!旅行に興味を持つ人にとってこの記事が受験するきっかけとなれば幸いです。目指せ一発合格☆

この記事を書いた人

TAKASHI KOCHI
TAKASHI KOCHI
・総合旅行業務取扱管理者
・総合旅程管理主任者
・トラベルコーディネーター
・エリアスペシャリスト
(ハワイ・オーストラリア)
初めての海外旅行はホノルルマラソン(ヘロヘロで完走)『旅の価値は無限大』を合言葉にこれからの新しい旅行スタイルを提案します